TRAVEL TSURU

アイルランドで見つめ直す私の人生

【残り4か月 後編】最後に出した私の答え

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【前編】【中編】と、お読みいただきありがとうございます。

いよいよ、【残り4か月 後編】です。(まだ【前編】【中編】をお読みでない方は、こちらからどうぞ)

 

tsurutontan.hatenablog.jp

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「本当にごめんなさい。マンチェスターに行くのを延期してもいいですか?」

ベルギー夫妻に送った1通のメール。

 

もう少し、ダブリンにいたい...

 

自分の気持ちに正直になったとき、ふと降りてきた最後の最後の答え。

 

その後、電話もし、気持ちを全て伝えました。

本当にマンチェスターの仕事には興味があったこと。

でも、ダブリンに帰ってきたら、ダブリンが好きになり、やりたいことが見つかったこと。

それは「今」しかできないこと。

あまりにも自己中心的な考えで、みんなに迷惑をかけて申し訳ないこと。

こんな素晴らしい機会をくれ、感謝しているということ。

そして、大好きだということ。

 

怒られるのを承知で、がっかりさせてしまうのを承知で、言いました。

 

彼らが一番最初に返してくれた言葉は、「本当に嬉しい

 

「私たちはあなたが日本に帰ることを悲しんだり、がっかりすると思って、ヨーロッパに残る手段を見つけてあげたいと思っていたの。私たち家族は幸運にも好きなことを仕事にすることが出来た。だからあなたにも好きなことをしてほしいと思っていた。やりたいことが見つかったなら、それを楽しんで続けて。そして、マンチェスターに来たくなったらいつでも連絡してね」

 

思えば3年前。

はじめに出会った時から彼らは「What do you want to do?」と何度も私に質問を投げかけていました。

シンプルだけど、答えるのが難しいこの質問。

会うたびに聞かれ、そして私自身も何度も自問を繰り返し。

今、この答えがはっきりでたとは言えないですが、何か糸口をつかんでいるように思います。

 

こんなにも寛大に包み込んでくれるベルギー夫妻に出会え、そして家族のような深い絆を築けた私は、世界で一番幸せ者です。本当にありがとう。大好きです。

 

悩んで悩んで、出した答え。人生いつでも大きな選択を迫られたときは、悩みます。

でも私は、自分の人生に後悔したことは一度もありません。

小さな後悔はたくさんあります。例えば、「もっと早く出てれば電車間に合ったな」とか、「この洋服買わなくても良かったな」などの、日常の小さな後悔。

しかし、大きな選択をしたときは、その後、一度も「後悔」することはないです。

 

中学生の頃に猛勉強をした私は、自由を愛する自立主義の進学高校に入学。

本当に自由な学校でしたので、私はその3年間をバドミントンに捧げ、友達と遊びまくって青春を謳歌し、全く勉強をしませんでした。(数学の成績は10段階評価で1をもらったことがあり、「このままでは娘さんは上の学年に上がれない」と、両親が呼び出される事態も発生)

大学受験では第一志望に落ち、滑り止めしか受からず。

私は一浪しようか迷いましたが、ある高校の恩師の一言で進学することを決意しました。

大学に進学した私は、高校が楽しすぎたせいか周りとのギャップを感じ、うまく馴染めず。専攻分野にも熱を注げず、授業をさぼりまくり、挙句の果てには「大学を中退する」と、泣きながら両親に訴えたこともあります。(お父さん、お母さん、その節はすみませんでした。)

なんとか無事、卒業。

 

そして今私は「過去に戻り、勉強をし直し違う大学に進学していたら」と、後悔することは一度もありません。

 

大学に熱を注がなかったかわりに、のめり込んだのが「読書」と「映画」と、そして「スターバックス」。

 

「読書」は「文章を書く力」をくれ、「映画」は「友達と熱く深く語れる知識」と「一人の時間を贅沢に過ごす最高の趣味」にかわりました。

通学経路でアルバイトを探そうとした大学1年。

「カフェっておしゃれじゃない?」という考えから履歴書を渡した最初のお店は、働ける時間帯が限られていたため断られ、その後たどり着いたのが「スターバックス」。

当時の私にとって、スターバックスと言えば「お母さんが買ってくるチョコスコーン」のイメージしかなく、コーヒーは苦くて大嫌い。

でも、働くうちにコーヒーが大好きになり、スターバックスで働くのが大好きになり、バイトがある日はうきうきしながら通っていました。

今でもこのスターバックスでの「経験」は、私の人生のあらゆるところで活かされており、ここで働かなければ、ダブリンのカフェ「Kaph」に取材をすることもなかったでしょう。

 

大学生のとき、確かに私はもがき苦しみました。

けれども、「その時に好きなこと」を見つけ打ち込んでいれば、それはいつか必ず自分の人生の大切な一部になるのだと、私は思います。

 

もう一つ、私が大切にしていることがあります。

 

人生は「ご縁」だ。

 

ということ。

私は自分の周りにいる人たちが大好きです。高校からの友達。大学時代に出来た友達。会社の元同僚。英語を勉強し始めてから知り合った外国の人々。

その人たちと会って話しているときにふと、思うのです。

私があの時、あの選択をしていなければ、出会うことはなかったんだな」と。

今、繋がっている大切な人たちが「私の選択が間違っていなかった」という証明なのです。

 

大きな選択と小さな小さな偶然が積み重なって、人生は進んでいきます。

あの時あの大学に通っていなければ、私がこうしてアイルランドにいることもなかったのです。

 

世界をもっと見たい。知りたい」という正直な願望に導かれ、私はワーホリに行くことを決めました。

でも決めてからずっと、怖かった自分がいました。

両親に報告し、会社に報告し、近しい友人に報告し、手続きを済ませ。

出国する日がどんどん近づくにつれて、ワクワクする気持ちと寂しい気持ちが入り混じり、日本社会から離れることへの漠然とした不安と孤独が付きまとっていました。

私は、楽天的で自由奔放なイメージを持たれがちですが、実は、人一倍臆病なところがあります。

だから、「つるとんたん、海外に行くんだねー!すごいねー!さすがだねー!」と、言ってくれる友達の言葉に嬉しく思う反面、「何も成果を出せずに帰ってきたらどうしよう」という、プレッシャーを感じていたのも事実です。

「でも、自分が決めたことだから弱音を吐いてはいけない」と、この気持ちを誰にも告げずに日本を離れました。

 自分の身に起こったことすらもうまく呑み込めず、理解できず、ただ茫然としていた12月。それでも私は、心配させたくない気持ちと「楽しく過ごしている自分」しか見せたくない強がりで、日本の家族に「辛いです」と素直に言うことはできませんでした。

必死にもがきながらも私は、日々を懸命に過ごしていました。

 

今、私の手の中にあるのは「得られた素晴らしい経験」「壁を乗り越えた自分への自信」「こっちに来てから出会えた人たち」そして「ダブリンを心の底から好きになれたこと

 

だから私は今、怖かったけど勇気を出してワーホリに来ることにした当時の自分に、「よく決断しましたね。あなたの選択は正しかったですよ」と、言ってあげたいです。

 

そして私は今、「ダブリンにできるだけ残る」決断をしました。

私自身、この国をもっと好きになってワーホリを終わらせるため、ダブリンの良さを、アイルランドの良さをもっと皆さんに伝えていきます。

未来の私はきっと「良い選択だった」と言ってくれるはずです。

 

そう思い直させてくれた読者の皆さまに心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。つるとんたん、最後まで頑張りますね!

 

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こちらの鳥はこの細長い足を活かし、そろりそろりと歩いて魚を狙います。バードウォッチングをしていたお父さんが教えてくれました。アイルランドは色々な種類の鳥が見られて面白いです。

 

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