【ゆるーくダブリンご紹介♯3】その一杯に愛をこめて「Kaph」
「ゆるーくダブリンご紹介」第3弾です!
今回はふらっと寄りたくなるカフェをご紹介いたします。まだこちらに来たばかりで、一人でカフェに行くのは緊張してしまうあなたが行きたくなるような、そして行ったことがある方もさらに通いたくなるような、そんな魅力を書きましたので、楽しみながら読んでいただけたら嬉しいです。
「Kaph」は2013年の夏、オーナーの Chris KeeganさんがDrury Streetにオープンしたカフェです。
彼はお店をだすのに最適な場所を2年以上かけて探したすえ、見つけたというのがこの場所。その時のことを「ちょうど洋服屋が閉店したんだけどクールな雰囲気がそこには残っていたからね。ラッキーだったんだよ」と語っています。
「僕たちが何をしているのか表す言葉をお店の名前にしたい」と思い、言葉遊びとして「Kaph(カーフ)」と名付けたそうですが、のちにヘブライ語では「Welcome」を意味すると知ったそうです。面白いエピソードですね。
お店を始めた当初、2階には現在のようなテーブルや椅子がなかった為、その場所をダブリンのイラストレーターに提供し展覧会を開催していました。現在はカフェスペースになっていますが今でもお店の空間はアーティストの方たちと作り出しています。
いよいよ店内へ
中に入ると気さくなバリスタが注文を聞いてくれるので奥に書かれたメニューボードを見ながらドリンクを頼みます。何気ない日常会話を楽しみつつ美味しいコーヒーが出来上がるのを待ちましょう。
レジ前には美味しそうなスイーツが並んでますので、疲れているときにはコーヒーと是非。疲れてなくてもスイーツは女子を救うので、女子は是非。人気No1はピスタチオフィナンシェだそうです。
こちらは2階のスペースです。いつも混んでいるKaphですが、平日12時頃はこんな感じで空いているので狙い目です。(朝いちが1番空いてます)
FREE WIFI完備で一部コンセントが使える席もあります。集中して作業したいときに。疲れたら2階の窓から通りを眺めてリラックスを。
「よく使われるんですか?」とお客さんに質問してみたところ「そうね、だいたい平日のこの時間は空いてるしね。ここだと子供たちからも解放されるしね!」と茶目っ気たっぷりで答えてくれました。素敵。
店内に飾られている作品はダブリン在住のイラストレーターRuan VanVlietさんが手がけています。
ポップな色使いだけど優しい印象を与えてくれる絵です。私のお気に入りは店内入ってすぐ右に飾られている作品。なぜ頭に目玉焼きをのせているのだろうか・・・と思うのですが、眺めていると頭に目玉焼きをのせるのもいいのかもしれない、と思い直してしまいます。コーヒーを待っているときに皆さんも眺めてみてください。
コーヒー豆へのこだわり
コーヒー豆は「3FE(Third Floor Espresso)」を使用しています。
3FEはアイルランドのバリスタチャンピオンColin Harmonさんがオープンしたコーヒーショップでコーヒー好きなら誰もが知っているお店です。こちらのお店の魅力を語ってしまうと大変長くなってしまうので今回は割愛させていただきます。
気になる方は是非訪れてみてください。
「色んなコーヒー豆を試したけれど3FEが最高だったんだよ。そして僕たちは3FEを知っているバリスタしか雇わないんだ」
同じコーヒー業界にいながらも他のお店を敬愛しているその謙虚で真摯な姿勢がこのお店の人気の一つなのかもしれません。
オーナーのChrisさんに直接お話を伺うことが出来ました。
来るたびに混んでいる印象を受けますが、Chrisさんが考えるお店の魅力は何ですか?
バリスタがフレンドリーだってことかな。お客さんもバリスタとの会話を楽しみにしているし、バリスタもお客さんの顔といつものドリンクを覚えているんだよ。美味しいコーヒーだけじゃなく、バリスタや心地よい音楽がKaphの空間を作り出しているんだ。
現在、バリスタは何人いるんですか?
お店を始めたころは1人、2人だったんだけど今は忙しくなって9人。アメリカやフランス、ポーランドなど違った国籍のバリスタが働いててね。それもお店の魅力かな。
なるほど。確かにいつもバリスタ同士、仲良さそうですよね。
新しいお店を出す予定はありますか?
2店舗目を出そうかとは考えているけど、スターバックスのようなチェーン店にするつもりはないんだ。今みたいに地元の人たちとの繋がりをこれからも大切にしていきたいしね。
Chrisさんのお気持ちすごくわかります。実は私、大学の4年間スターバックスでアルバイトをしてました。(青春を注いでたといっても過言ではありません!)働き始めた当初は「la marocco(ラ・マルゾッコ)」というエスプレッソマシーンを使い全てのドリンクを作っていたのですが、お客様の多さに対応しきれず導入する機械も少しずつ簡易的なものに変わってしまいました。
しかし、私は「ドリンクの美味しさはバリスタの技術があってこそ!」と思ってます。コーヒー豆の挽き具合の調整、エスプレッソの旨みである三層「クレマ・ボディ・アロマ(ハート)」のハーモニーを生み出すためにコーヒー豆を上から押し詰めるタンピングの力加減、ベルベッドのような豪華で滑らかな舌触りとほのかな甘みのミルクフォーム。
この全てがマッチしてこそ口に含んだ瞬間に「ああ、美味しい」と言えるのです。(と、私はコーヒー店に厳しいのですが、Kaphはいつ飲んでも心から美味しいと言えます)
Chrisさんの1番好きなドリンクは「Flat White(フラットホワイト)」力強いエスプレッソとミルクの割合が完璧だからだそうです。店内で飲むとバリスタがアートを描いてくれます。
働いていて、1番幸せだなって思うときはどんな瞬間ですか?
1番忙しいとき。土曜日の3時はまるで津波のようにお客さんで溢れかえっていてね。そこに音楽も溶け込んで。忙しいんだけどその空間にいるのが1番幸せなんだ。
カフェなのにパブみたいな雰囲気ってことですか?
ははっ、そうだね。そんな感じ。
土曜日午後3時のKaphの様子がこちらです。
本当にすごい人です!お客さんの列が途切れることがありません!しかし、どんなに忙しくてもバリスタが会話しながら手際よく、そして愛情込めて一杯一杯作ってくれます。さすがプロフェッショナル。
働かれているバリスタにもお話を伺ってみました。ニューヨーク出身のJohnさん。Kaphに3年半勤務されています。
Johnさんが考えるKaphの魅力は何ですか?
僕たちはみんな違った個性と一流のコーヒーテクニックを持ち合わせているんです。他のカフェよりもみんながもっと自由に働ける環境と常にお客さんとの会話を楽しんでいるのがKaphの魅力だと思います。
1番忙しい時間帯に働いているときはやはり大変ですか?
そうですね。ドアの外までお客さんの列が続き、目の前にはそれぞれ違うオーダーのドリンクが7個以上並ぶこともあります。でも、確認しあわなくても「今何をすべきなのか」をみんなが理解しているので冷静に一杯一杯作っていけるんです。僕たちはプロであり素晴らしいチームワークを持っているんですよ。
Kaphはいつも混んでいる印象で席が見つけられない時もあるのですが、それでもお客さんがここに訪れたいって思う理由って何だと思いますか?
僕はお客さんがただコーヒーを求めにやってくるのではなく、僕たちバリスタに会いに来てくれてるんだと考えてます。特に金曜日の夕方は常連の方が多く、僕たちも名前とドリンクをできる限り覚えてますから自然と会話が弾み、みんながその日常の何気ない時間を楽しんでいるんですよ。
なるほど。それがKaphのバリスタがよりフレンドリーな理由なんですね。
そういえばたまに有名人が訪れたりするって聞いたことがあるのですが・・・
常連の方では有名な映画監督と人気バンドのメンバーが来てくれますね。彼らは僕らを知ってますし、僕らも彼らを知っていますが、サインや写真をお願いすることはありませんよ。この雰囲気を楽しんでいただきたいですし、自然に接するという感じでしょうか。「OH MY GOD!!!!!! How are you?」って言ってしまいますが(笑)
すごく有名な方が訪れても全く気がつかないこともあります。あるときアイルランド人なら誰もが知っている方が来てくれたんです。彼は20分ほど席に腰かけてコーヒーを楽しんでくれて。でもその時はみんな全く気がつかず。後になって、ああ!そういえば!ってなることもしょっちゅうですね(笑)
ずばり、これからどうしていきたいか聞いてもいいですか?
実は今、コーヒーの焙煎についてもっと勉強したいなって思ってるんです。異なった種類のコーヒー豆を違う店舗で買ってきてポップコーンマシーンを使って自宅のキッチンで焙煎してみてるんです。
オリジナルのコーヒー豆を作りたいってことですか?
まだまだ実験の段階ですけど将来的にはそうですね。僕たちは3FEのお豆を使用しているのでいつか独自のコーヒー豆が作れたらなって思ってます。"See What Happens"ですけどね(笑)
仕事終わりにはお客さんと一緒にコンサートに出かけたりもするそうです。その時は「バリスタ」と「お客さん」ではなく、「友達」として一緒に楽しむのだとか。
Johnさんの1番好きなドリンクは「Filter Coffee(フィルターコーヒー)」
ニューヨークに帰った際は色んなカフェを練り歩いてコーヒー、エスプレッソ、アメリカーノを飲み比べるそうで、ミルクや砂糖は一切いれないのがJohnさんのスタイルです。(見た目は甘いマスクなのにコーヒーはいつでもブラックなんですね。なんかそのギャップがまた良いなって思ってしまいました(笑))
「いつかは自分のお店を持ちたい」という夢もあるそうです。楽しくお話しさせて頂きました。Johnさんありがとう!(Thank you so much John!)
Kaphいかがだったでしょうか?
落ち着いた空間で作業したいときは、空いている時間帯に2階を利用してみてください。お友達と賑やかな雰囲気を楽しみたいときは1階で。ガラス越しに腰かけられる席はバリスタとお客さんのやり取りも見られるのでオススメですよ!
「コーヒーが苦手で飲めないんです><!」って方にも嬉しい「抹茶ラテ」や「ホットチョコレート」もメニューにございます。
まだ行ったことがない方は「ここは私のダブリンの庭である!」とドヤ顔でどうぞ訪れてみてください。
よく利用されているという方、この記事の中で何か知らなかった新しいKaphの魅力が伝わっていれば幸いです。そして来店された際には「日本人の女の子が記事書いててさー」と、世間話に花を咲かせて頂ければこれほど嬉しいことはございません!
Dear Kaph
Thank you so much for your time and giving me the opportunity to write the article.
I really enjoyed discovering and exploring your cafe.
I love Kaph even more and will come back for a cup of coffee time and time again.
Best Regards , From Saeri
お店について
店名:kaph
website:https://www.3fe.com/
PS:美男美女のバリスタ揃いなのも私がついつい訪れてしまう理由の一つなのでした❤